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来シーズンはイチロー選手に期待します

2011127

宇佐美 保

 

私は、次のニュース(スポニチアネックス 127日)を見て、来シーズンのイチロー選手の活躍を心待ちしています。

 

  マリナーズのウェッジ監督が来季、イチローの打順を変える考えを示した。

 

 イチローといえば、マリナーズでの“指定席”は1番打者。これにウェッジ監督は「何番かはまだ決めていないが、彼には理解してもらえれば」と、クリーンアップに置くなど、打順変更も選択肢の一つであることを強調した。すでにイチローとも話をしたという。

 

 今季、シーズン200安打が10年連続で途切れたイチローの復調を何よりも願っている一人がウェッジ監督。「チームにとってベストなことは何でもするし、私にもしてほしいとシーズン中に言ってくれた」と、イチローへの感謝の思いも口にした。

 

 何しろ、このニュースを知るまでは、常々イチロー選手を“200本安打の亡者”等と批判してきました。

 

 例えば、日本ではイチロー選手の人気は大変なものですが、次に掲げます松井秀喜選手との打撃成績比較表をご覧下されば、私の批判に御理解頂けると存じます。

大リーグに於ける通算打撃成績比較
打席

安打

安打

2塁打

3塁打

本塁打

塁打

得点

打点

打率

出塁率

長打率

OPS

イチロー

8060

2428

2428

280

74

95

3141

1127

605

.326

.370

.421

.791

松井

4347

1239

1239

248

12

173

2030

649

753

.285

.363

.467

.830


 イチロー選手は松井秀喜選手より、安打数では2倍ほど(打席数は、約1.9倍)です。しかし、四球数は、打席数が半分ほどしかない松井秀喜選手の方が多いのです。

従って、安打数に四球数等を含めた「出塁率」では松井秀喜選手と殆ど変らないのです。

1番バッターとしてのイチロー選手には、「出塁率」が最重要視されている筈です。

更に、最近では、バッターの評価基準として「OPS」(=「出塁率」+「長打率」)が脚光を浴びています。

0.8以上で一流バッター、0.9以上で超一流バッター)

この面では、松井秀喜選手は一流ですが、イチロー選手は一流以下の選手と評価されます。

 

 この件に関しては、私のホームページに『松井秀喜選手とOPS』にも記述しました。

http://u33.sakura.ne.jp/i%20think%20071014matui&ops.htm

 

 更に、両選手の比較としまして『イチロー選手は凄いけど松井選手はより凄い(改)』

http://u33.sakura.ne.jp/ithink041003itiro-%20matui%20hikaku.htm)等も掲載しました。

 

 何故このような結果になってしまうのでしょうか?

特に、イチロー選手の四球数が松井秀喜選手に劣っているのが、その原因でしょう。

何故なら、四球で出塁したら200本へ向けての安打を打つ機会が、その分減るので、3ボールの後、ボール球が来ても四球で歩かずイチロー選手は打ちに行きます。

バットを振れば、アウトになるかもしれませんが、ヒットになる可能性もあります。

(ファールになり、もう一度、ヒットが打てる球を待てるかもしれません)

 

 こういう選手が君臨するマリナーズの成績は、当然、低迷したままです。

ところがマリナーズから、出て行った選手たちは、ほとんど皆活躍しています。

(今回のワールドシリーズで活躍したベルトレー選手も、マリナーズでくすんでいましたが、レッドソックス、そしてレンジャーズに移り両チームで大活躍です。

ベルトレー選手の「OPS」を追ってみますと、マリナーズに移る前年のドジャーズでは、何と、1.017、マリナーズの5年間の平均は、0.744、レッドソックスに移って、0.919、今年レンジャーズで、0.812と、マリナーズの5年間は最悪です)

 

 従いまして、如何なる非難に怯むことなく「チームの勝利」(個人成績は狙うのではなく、結果)を追求してきた落合監督は、現状のイチロー選手を(落合監督のチームの)1番バッターとしては起用しないと私は思っているのです。

(3番センターとしてならともかく)

 

 

 でも、来季は、マリナーズのウェッジ監督がイチロー選手を、「3番センター」とする決定を下すことを切望するのです。

 

 

 それにしましても、落合氏が中日監督を解任されたことが残念で堪りません。

その上、落合氏の後任の高木氏は、次のように発言(東京新聞:2011.12.3)されます。

 

 プロは勝つことと、プラス、何かファンの人がこれがプロの試合なんだと思えるものがほしい。プロの試合を見ることができたと思ってほしい。そういうことも選手には話していきたい。

 

 高木氏は、他人に対する配慮が欠如されておられる方だなと思いました。

この他人への配慮は、選手たちへの配慮にも通じます。

 

 落合監督の下の中日の選手たち、そして、秋山監督が率いるソフトバンクの選手たち共々緊迫した日本シリーズ(私には最高と思える)を、これぞプロ!と言える試合を戦ってくれたというのに!

 

 弱小と言われた中日は第7戦まで、好投、好守、巧打の連続で、力を振り絞って戦ってくれました。

勿論、ソフトバンクも、ノーアウト満塁の大ピンチに登場し零点に抑えた森福投手の活躍を初め、一瞬たりとも眼を離せない好ゲームを展開してくれた両チームの監督選手たちへ、高木新監督の“これがプロの試合なんだと思えるものがほしい”の談話は余りにも失礼ではないかと私は思うのです。
彼らのプレーに何が欠けていたのでしょうか?!。

 

 なにしろ、高木新監督のみならず、マスコミも落合監督を「日本シリーズは視聴率大惨敗 ファンも見放した落合“オレ流”」(週刊文春:12.1号)とわけのわからない非難を展開するのですから悲しくなります。

 

それに、日本シリーズでは、凡フライがホームランになることもなく、プロの選手だからこその、本数は少ないものの、広い球場での会心の当たりのホームランも見たりと、十分に楽しませて貰えました。

 

  それとも“ホームランがどんどん出る試合をファンが望んでいる、(凡フライでもホームランになる)以前ボールに戻せ!”とのナベツネ氏のご託宣により、(讀賣新聞、中日新聞が旗を振り)又、日本プロ野球は堕落して行くのでしょうか!?

 

 いずれにしましても、高木新監督の、「契約金5000万円、年俸1億円の2年契約」との記述にも驚かされました。

(誰でも、落合前監督の頭を踏み台にしてでも座りたくなる監督の座ではないでしょうか?と下種の私は勘繰ります)

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